新地町の漁師たち

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上映情報

 311直後に福島県新地町を訪れた私は、津波の被災だけではなく原発事故による放射性物質の海洋汚染によって福島県の漁業が絶望的状況下にあることを知りました。自分たちを育んできた海、生業としてきた漁業の歴史を一度に奪われた人々は、これからこの地でどう生きていくのか。海はもう再生不可能なのか。私は新地町の漁師たちの行く末を記録しようとカメラを回し始めました。

 2016年11月現在、福島の漁業は原発事故以降から継続してきたモニタリング調査の結果、安全と判断された94種の魚介類を対象とした試験操業ができる状態まで回復しました。汚染は浄化しつつあり、漁師たちはいつでも本格操業ができるのです。しかし、原発は収束しておらず風評被害の問題もあることから、福島の漁業は未だ復興できない状況にあります。

 原発収束や汚染実態の継続的なモニタリング調査は漁業の復興上とても大事なことです。しかし、復興を考える上で重要な問題は「フクシマ」という記号から抱くイメージから私たち自身が現実の「福島」の漁業者の復興を妨げていることにあります。無意識の自虐行為による傷から私たちは「復興」しなければなりません。福島の漁業者が自立した人間として本操業を行えること、そして福島が抱える多くの問題を考える一つのきっかけとして、この映画を被災地内外の場を超える多くの方々に観ていただきたく思います。

 上映運動を広げるため皆様のお力添えをいただきたく宜しくお願い申し上げます。

 あの大地震、原発事故で福島の漁師たちの生活は一変した。

 舞台は、3.11後の福島県新地町の漁村。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故の影響で、当初、再生不可能とまで言われた福島の海。その海を生きる漁師たちはこれからどこへ向かうのか……。

 津波で消えた漁村、浜をさまよう漁師たち、放射能汚染水が排出された海、漁村の伝統祭事を映しながら、物語は「地下水バイパス計画」(汚染水対策)を巡る交渉シーンへと向かう。

 廃炉行程を一刻も早く進めるために、漁業者から計画容認を得たい国と東京電力……。一方、どう考えても容認しないと復興できないことを理解しつつも反対する漁師たち、また賛成する漁師たち。

 この映画は、津波と原子力災害によって生じた様々な軋轢や葛藤の中で生きる福島県漁業者たちの合意形成を巡る交渉の記録である。

INTRODUCTION

STORY

STAFF PROFILE

DIRECTOR

山田 徹 (やまだ とおる)

 

1983年、東京新宿生まれ。自由学園卒。映画美学校ドキュメンタリー科を経て、2009年から記録映画の製作会社である自由工房に勤務。記録映画作家である 羽田澄子監督に師事する。個人活動として国内アートプロジェクトの記録映像に関わりつつ、2011年3月11日の東日本大震災から4年半をかけて映画『新地町の漁師たち』 (2016)を完成させる。初監督となる本作で第3回グリーンイメージ国際環境映像祭 でグランプリを受賞する。

 HP:http://www.yamadatoru.com

MUSIC

音楽「3日満月」

権頭真由(アコーディオン/ピアノ/ヴォーカル)、佐藤公哉(ストリングス/パーカッション/ヴォーカル)によるデュオ。2011年9月、プラハの満月を長引かせて結成。ホールやカフェでのライブ、映像やダンス公演の劇伴などで活躍中。子どもたちと創る音楽サーカス「音のてらこや」を主宰する。4つの身体、4つの楽器による音楽の箱舟「表現(Hyogen)」のメンバー。

HP:http://sound.jp/hyogen/

 

羽田澄子(記録映画作家)

 

この作品は東北大震災におそわれた漁師町の海の姿を3年半にわたって記録している。特に大きな震災被害は原子力発電所が海に放射性物質を放出していること。多くの困難を乗越えようと努力する漁師達の姿を克明に描いている。

COMMENT

和合亮一(詩人)

 

この映画には、震災後の真実がある。悲しみと怒りと希望とがある。映画の光と闇の中で、無数のさざなみの音に耳を傾けてほしい。震災があったから願うのではないのだ。

v

我妻和樹

(『波伝谷に生きる人びと』監督)

 

はじめてこの映画を観せてもらったとき、まだ編集の余地はあるものの、必ずいい映画になると確信した。同時にキャメラを通して伝わってくる山田監督の現地の人びとに対する畏れや怯えが、同じ漁師町で映画を作った人間として痛々しいほど身に染みた。だから放ってはおけなかった。原発事故でたくさんの漁業者が困難に直面している中、山田監督は自分が撮った映像に愚直に向き合い、本当に大事な仕事を残してくれた。何より、新地町の漁師たちが一生懸命この映画の上映に協力していることが、その一番の証しであろう。

濱田武士(北海学園大学 教授)

 

原子力災害という事態のもとで、海から離れず、本格操業までの苦難に立ち向かう漁師たちがいる。映し出されたのは、漁師たちの海への畏敬の念であり、合意を重視する漁村共同体の姿であった。

 

仰木亮彦(在日ファンク)

 

震災ドキュメンタリーという枠を超えて、漁師たちの粋な姿に魅せられました。新地町で水揚げされたこの作品が沢山の人に届く事を祈ります!

纐纈あや(映画監督)

 

「漁師はいつだって復興できんのよ。復興できないのはこの世の中。」新地町の漁師のつぶやきは、東日本大震災以降、未だ混迷を続けるこの社会への大きな問いかけだ。日本列島中に原発を作り出してしまった日本。それを容認してきた私たちの意識のままでは、真の復興などあり得ないのだと漁師たちが苦悩する姿は訴えてくる。震災から六年を経た今、私たちの足元はどこに根ざしているのかを問われている。

 

本橋成一(写真映画監督)

 

おどおどしながら漁師たちに近づいていく監督のカメラがとても新鮮だ。

海と漁師との関わりは、理屈で切り離すことはできないものだと、ぶっきらぼう な男たちの言葉の端々から伝わってくる。

震災後の日本の姿のを見つめるには、ただただ記録し、考え続けることでしかないのかもしれない。

加藤典洋

 

この映画の地下(汚染)水放出をめぐるやりとりの場面が忘れられない。

海は広い。汚染を受けたその広い海に生きる新地町の漁師たちが東電や国など自らの過失を「水に流したい」側の「言葉」の詐術に敗れる。その彼らの「無念さ」が私を鞭打つ。そしてこれに続く海の場面が、その痛みこそ一つの希望なのだと私に教える。

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新地町の漁師たち

監督・製作:山田 徹

楽:3日満権頭真由&佐藤公哉 from “表現[Hyogen]”)

 整滝澤修 撮影協松村敏行  カラーグレーディン青木可恋

宣伝美術(フライヤー&webサイトメインビジュアル): 北野亜弓(calamar)

 Web : 歌川達人(Song River Production)

協力:相馬双葉漁業協同組合、相馬双葉漁業協同組合新地地区

株式会社 自由工房、株式会社いちまるよん

製作年2016/92/格:HD/16:9/

カラ/Blu-ray Disc

(C)Toru Yamada